Kindleの商品紹介文は目次の貼り付けから一歩先へ。誰のどの場面へ、何ができ、どこまで扱う本かを三行で作り、KDPの制約も確認して先頭へ置きます。

Kindleの商品紹介文へ目次を貼ったのに、「これで読む理由が伝わるかな」と迷う。

最初の一段落には、誰のどの場面へ、何ができ、どこまで扱う本かを置いてみてください。三行の作例とKDPの条件を見ながら、自分の紹介文の先頭を作ります。

Kindleの商品紹介文は、目次を貼るだけで終えない

目次には、本の中身と順番が並びます。けれど、商品ページを開いた人が確かめたいことの一つは、章の数より「自分のどの場面と関係する本か」です。

この記事で扱うのは、実用・ノウハウ系のKindle本です。小説、エッセイ、絵本の紹介文は見せ方が変わるため、今回の3行には含めません。

僕は、ここで文章力を疑わなくていいと考えています。紹介文が目次の言い換えになり、二つの役割が重なっているだけだからです。そこで、内容や順番ではなく、「誰がどこで迷い、この本で何を持ち帰るか」を先頭へ移します。

KDPのヘルプでは、この欄は「内容紹介」と呼ばれ、Amazonの商品詳細ページに表示されると説明されています。商品ページで、まだ本文を読んでいない人へ渡す説明です。今回確認した公式ページでは、4,000文字は入力上限として案内されており、最低文字数や推奨文字数とは書かれていません。

まず直すのは、商品紹介文の冒頭一段落

今日触るのは、紹介文の冒頭一段落だけにします。全体の構成も、HTMLの装飾も、キーワードも、著者紹介も、まとめて直そうとしない。先頭で自分との関係が分からなければ、後ろへ情報を足しても最初の迷いは残るからです。

先頭へ置くのは、読者が「自分に合う本か」を判断する材料です。KDPのヘルプも、簡潔で、読者を惹きつける、洗練された説明を勧めていて、必要以上に複雑な情報を盛り込まないよう案内しています。読む前から全内容が分かってしまうような紹介は避ける、という趣旨の記述もあります。目次と章要約を丸ごと貼る書き方は、この案内とは逆の方向へ進みやすい。

とはいえ「読者目線で書きましょう」だけでは、どこを消してどこを書くのかは決まりません。判断材料を、次の3行に固定します。

どんな人の、どの場面へ:________
この本で判断・実行できること:________
この本が扱う範囲:________

この3行をつないで一段落にし、内容紹介の先頭へ置く。今日の作業は、そこまでです。

一行目は「誰のどの場面へ」

「40代の会社員におすすめです」と書いても、年齢や職業だけでは、今の自分との関係が伝わりにくいことがあります。その人が今どこで手を止めているかが入っていないからです。

一行目に置きたいのは属性ではなく、止まっている場面のほう。たとえば、こう書けます。

Kindleを出したいのに、テーマ・目次・原稿・表紙・KDP登録をどう進めるか分からず、何から手をつけるか迷っている

工程名は複数ありますが、書いているのは「出版の全体像が見えず、最初の一歩を決められない」という一つの迷いです。

「何をどう進めるか分からず止まっている」まで書くと、自分の状況と照らし合わせる材料になります。「テーマも決まらない」「原稿も書けない」「表紙も不安」と別の停止場面を足していくと、結局どこへ答える本か分からなくなる。不安を強める言葉を重ねる必要もありません。

読者像を決めきれていないときは、原稿の中で一番丁寧に説明している場面を選んでください。読者設定を一から作り直すのは、この段階の作業ではありません。

二行目は「何を判断・実行できるか」

一行目で立ち止まった人が次に確かめるのは、読むと何が変わるのか、です。ここで「悩みが解決します」「人生が変わります」と書くと、また輪郭が消える。抽象的な変化は、どんな本にも書けてしまうからです。

書くのは、本文で実際に渡している判断や行動。

自分が止まっている出版工程と、次に確認することを一つ選べます。

「判断」と「実行」を分けようとしなくて構いません。読み終えた人が何かを決められる状態になるなら、それも十分に具体的です。条件はひとつだけで、本文にないことは書かない。「必ず出版できる」「売上が増える」は、原稿がどれだけ丁寧でも保証できない範囲です。書いた瞬間から、読んだ人の期待と中身がずれ始めます。

言葉が出てこないときは、目次を眺めながら「読み終えた人は、何を決められる状態になるか」を一つだけ書き出してみてください。それが二行目の材料になります。

三行目は「どこまで扱うか」

扱わないことを書くと、その分だけ読者を逃す気がするかもしれません。「全部入っています」と書かれても、自分の探している答えがあるかは選べません。だから、紹介文の三行目は範囲を示す場所です。

出版後の集客や売上ではなく、最初の一冊を公開するまでの流れを整理したい人のための本

対象外を先に置くと、期待の方向が合うかどうかを判断しやすくなります。僕は、扱う範囲も「自分に合う本か」を照合する材料だと考えています。売上にどう働くかまでは言えませんが、「この本が答えるところ」と「答えないところ」を分けることはできます。

形は「〜ではなく、〜のための本」で十分です。経歴や実績の話は、冒頭3行では扱いません。三行目には、本の範囲だけを置きます。

同じ本でも、目次紹介と読者への約束は違う

同じ一冊を、二通りに紹介してみます。説明用の架空例です。

NG:

本書ではKindle出版について詳しく解説します。
テーマの決め方、目次、原稿、表紙、KDP登録まで幅広く紹介します。
初心者にもおすすめなので、ぜひ読んでください。

書き換え:

Kindleを出したいのに、テーマ・目次・原稿・表紙・KDP登録をどう進めるか分からず、何から手をつけるか迷っていませんか。
本書の工程表を使い、自分が止まっている出版工程と、次に確認することを一つ選べます。
出版後の集客や売上ではなく、最初の一冊を公開するまでの流れを整理したい人のための本です。

違いは、先頭で読者の停止場面と本の範囲まで示したことです。中身は同じ本のまま、新しい実績も、強い言葉も足していません。

内容紹介の書き方(KDP公式)

KDP公式の制約も、公開前に確認する

魅力を足す前に、入れてはいけない情報を消しておきます。3行がうまく書けていても、禁止されている一文が混ざっていれば、そこで手戻りになるからです。KDPのメタデータのガイドラインでは、内容紹介に含められないものが示されています。代表的なものだけ挙げると、次のあたりです。

  • 外部サイトのURL
  • レビュー、引用、推薦文
  • レビューの依頼
  • 販促資料
  • 期間限定の情報
  • 価格、在庫、他店の情報
  • 物語の結末などのネタバレ
  • キーワードやタグの羅列

「レビュー高評価」「今だけ無料」と足したくなったら、ここで止める。3行を書いたあと、この一覧と照らして読み返すだけで、公開前の確認になります。

メタデータのガイドライン(KDP公式)

内容紹介では基本的なHTMLも使えますが、装飾の手順はこの記事では扱いません。ひとつだけ補足すると、HTMLタグも4,000文字のカウントに含まれます。

品質ガイドでは、商品説明などが読者の購入判断を惑わせないよう、内容を正確に表すことが求められています。審査でどう扱われるかを僕が断定することはできませんが、本文にない成果や、誤解を招く約束を置かないことは自分で確認できます。3行と本文を照合する作業も、その確認の一つです。

今日は3行を、先頭へ置く

いまの紹介文の下書きを脇に置き、メモに3行だけ書いてみてください。

どんな人の、どの場面へ:________
この本で判断・実行できること:________
この本が扱う範囲:________

埋まったら、そのまま接続詞でつないで一段落にします。それを内容紹介の先頭へ置いて、今日はそこで手を止める。後ろに目次がそのまま残っていても、入力欄が大きく余っていても、今日は構いません。

最初の3つは、3行が読者との関係を伝えるかを見るための自分用チェックです。最後の1つだけ、KDP公式ルールをもう一度確かめます。

  • 読者が止まっている場面が、一つ見えるか
  • 本文にない成果を約束していないか
  • 扱う範囲が一文で書けているか
  • 公式が禁止している情報が混ざっていないか

4,000文字を埋めきれば、自分向けだと判断してもらえるわけではありません。今日は、あなたの一冊と、まだ本の外にいる読者をつなぐ3行を、先頭に置くところまでで十分です。

次の作業を選ぶときは、Kindle本のタイトルの付け方|本文で守れる約束を一案にするを使えます。出版の工程を確認したい場合は、Kindle出版の始め方を使ってください。