AIで書いたKindle原稿が一般論に見えるとき、一段落の事実・経験・判断を確かめます。F・E・Jの付け方と作例を使い、薄い材料を一つ補います。
「正しいことは書いてあるけど、僕が書く意味がない気がする」とAIの原稿を読み返したことはありませんか。
全部を作り直す前に、一段落の事実・経験・判断を見てみましょう。薄い材料を一つ追記するための、F・E・Jの付け方と作例を示します。
AIは、渡されていない経験を事実として書けない
AIは、テーマに沿った一般的な説明を組み立てられます。
「継続するコツを書いて」と頼めば、目標を小さくする、習慣化する、記録するといった案が出てくるでしょう。
間違いとは限りません。ただ、それだけなら別の記事でも読める説明になりやすい。
AIは、あなたが三日目に何を見てやめたかを知りません。再開するときに何を捨てたかも、一般に勧められる方法をなぜ選ばなかったかも、材料を渡さなければ分かりません。
推測で空白を埋めさせると、実際には起きていない出来事まで混ざるおそれがあります。
AIへ「それらしい体験」を足させるより、本人だけが確認できる材料を戻します。文章のうまさより、その内容に責任を持てるかを先に確認するためです。
薄い原稿で抜けやすい三つの材料
1|事実
「何度も失敗した」「工夫したら続いた」だけでは、何が起きたのか確認できません。
何日続いたのか。どの作業で詰まったのか。何を減らしたのか。
数字を無理に足す必要はありません。自分で確認できる出来事が一つ入ると、話の輪郭が出ます。
2|場面
きれいな結論だけでは、読む側が自分の状況へ当てはめにくくなります。
「作業が進まなかった」より、
夜に原稿へ向かったが、目次の入れ替えだけで30分が過ぎ、本文には触れなかった。
の方が、どこで詰まったかを見つけられます。これは説明用の架空例です。
3|判断
経験が「こうしました」で終わると、読む側は自分の条件で選ぶ基準を持てません。
なぜそれを選んだのか。何と比べたのか。どんな条件なら別の方法を選ぶのか。
判断が入ると、体験談が「そのまま真似する話」ではなく、「自分の場合を考える材料」になります。
一段落だけ、F・E・Jで見る
章全体を見て「もっと自分らしく」と考えると、直す場所が広すぎます。
気になる一段落を選び、三つの記号を付けてください。
| 記号 | 確認する材料 | 自分へ聞くこと |
|---|---|---|
| F | Fact/事実 | 日数・回数・変更点など、確認できる具体情報は? |
| E | Experience scene/場面 | いつ、どこで、何の直後に起きた? |
| J | Judgment/判断 | 何を選び、なぜそうした? |
すべての段落へ三つ全部を入れる必要はありません。
- 一般論が続く段落には、確認できる事実を一つ
- 結論だけの段落には、読者が想像できる場面を一つ
- 方法を勧める段落には、その方法を選ぶ条件を一つ
欠けたものを一つ戻すだけでも、段落の役割は変わります。
作業の順番は、三つに印を付け、最も薄い一つだけ追記する。それで終了です。
正しいけれど、誰の話か分からない例
以下は、書き分けを示すための架空例です。
NG例
Kindle本は毎日書けば、完成へ近づくでしょう。無理のない目標を立て、進捗を記録すると、モチベーションを維持しやすくなります。
僕なら、この段落へすぐ実体験を付け足す前に、言葉の根拠を見ます。「毎日書けば完成へ近づく」は一般的な説明で、確かめる記録や出典はない。Fを支える材料が見えず、作業した時間や詰まった場面のEも薄い状態です。
さらに、「無理のない目標」をどう選んだのかというJがありません。次の例では、同じ原稿作業について、起きたことと選び直した理由を戻します。
F・E・Jを戻した例
最初の1週間は「毎日1章進める」と決めていました。しかし仕事のあとでは、見出しを直すだけで終わりました。そこで目標を「本文を書く」から「前日の一段落を読む」へ変更。量を増やすより、原稿へ戻る負担を下げる方が、当時の自分には合うと考えたからです。
実際の原稿では、本人が確認できる出来事だけを使ってください。
書き換え後には、起きたこと、詰まった場面、目標を変えた判断があります。読む側は同じ方法をコピーするのではなく、「自分は何の負担を下げるか」を考えられます。
AIへ任せる作業と、本人が確かめる材料を分ける
AIには、たとえば次の補助を頼めます。
- 話が飛んでいる箇所を挙げる
- 同じ説明の重複を探す
- 分かりにくい言葉の候補を示す
- 本人が渡したメモを整理する
一方、次の確認は本人へ戻ります。
- その出来事は本当にあったか
- 数字や順番は正しいか
- そのとき何を考えたか
- 読者へ勧めてよい範囲か
- 他人の権利を侵害していないか
読みやすさを整える作業と、内容に責任を持つ作業を混ぜないでください。
AI申告は、文章の修正とは別に確認する
原稿を人の言葉へ直しても、KDP上のAI区分まで自動で変わるわけではありません。Amazon KDPはAI生成とAIアシストを作成過程で分けて案内しています。
この区分は原稿の薄さを直す作業とは別です。公開前になったら、「KDP公開前に初心者が確認すること|AI申告・権利・プレビューの基本」で、AI申告と権利をまとめて確認してください。
最新の定義はAmazon KDP「コンテンツガイドライン」で確認できます。
AI原稿を見直すチェックリスト
- 一般論だけが長く続いていない
- 本人が確認できる出来事がある
- 読む側が状況を想像できる場面がある
- 方法を選んだ理由や条件がある
- AIが推測した経験や数字を残していない
- 本人の意見と外部の事実を分けている
今日直すのは一段落だけ
原稿へ戻す経験が見つからない場合は、「Kindle本に書くことがない人へ|経験をテーマ候補に変える3つの質問」から探せます。
公開直前のAI申告、権利、プレビューをまとめて確認するなら、「KDP公開前に初心者が確認すること|AI申告・権利・プレビューの基本」へ進んでください。
F・E・Jへ印を付け、最も薄い一つだけを追記してください。
AIへ追加の見直しを頼む前に役割を整理したいときは、AIでKindle出版する方法|一工程の補助と自分の判断を分けるを使えます。出版の工程を確認したい場合は、Kindle出版の始め方を使ってください。