KDP公開前に、誤字以外も確かめたい人へ。AI申告・権利・プレビュー・内容の一致を十項目で点検し、分からない条件を確認してから公開へ進みます。

「誤字は見たけど、このKindle本を公開して大丈夫だろうか」と迷ったら、文章以外にも四つの確認先があります。

AI申告、出版する権利、プレビュー、表紙・本文・登録情報の一致を、原稿と表紙の十項目で点検します。分からない項目が残ったら、その確認を終えるまで公開を保留しましょう。

KDP公開前は、誤字以外の不備も確かめる

原稿を何度も読むと、誤字や言い回しには目が向きます。

確認範囲は、原稿・表紙まわりの四ゲートに限定します。価格、ロイヤリティ、KDP Select、キーワード、カテゴリーなどの販売設定は、このチェックに含めません。

一方、次のような不備は本文を読むだけでは見つけられません。

  • AIが生成した画像を確認対象から外している
  • 素材の利用条件を電子書籍用途まで確認していない
  • 修正前の原稿ファイルをアップロードしている
  • スマートフォン表示で表や画像が崩れている
  • 表紙とKDPでサブタイトルが違う
  • 目次から章へ移動できない

これは文章力の問題ではなく、確認範囲の問題です。

KDPの登録情報、権利、原稿、表紙は別々の場所にあります。全部を頭の中だけで管理しようとすると、見落としやすくなります。

公開前の情報を四つのゲートへ分けると、「たぶん大丈夫」を減らし、どこで止めるかを決められます。

ゲート1|AI生成コンテンツを申告したか

2026年8月8日にAmazon KDP公式ヘルプを確認したところ、AIツールが作成したテキスト・画像・翻訳は「AI生成コンテンツ」とされ、新しい本の出版時、または既存本の編集・再出版時に申告が必要です。AI生成画像には、表紙や本文内の画像、アートワークも含まれます。

AIが作成した内容は、後から大幅に編集してもAI生成コンテンツに含まれると案内されています。

自分で作成した文章や画像をAIで編集、改良、エラーチェックした場合は「AIアシスト」とされ、開示は不要です。AIでアイデアを出し、最終的なテキストや画像を自分で作った場合も、公式上はAIアシストの説明に含まれます。

作成過程 KDP公式上の基本区分
AIがテキスト・画像・翻訳そのものを作成した AI生成。申告が必要
自分で作成した内容をAIが編集・改善・チェックした AIアシスト。開示不要

完成文の雰囲気ではなく、何を誰が作成したかで判断します。

「AIで作ったあとに自分でかなり直したから、申告しなくてよい」とは扱えません。

申告すれば、内容の正確性や権利が自動で保証されるわけでもありません。最新の定義はAmazon KDP「コンテンツガイドライン」で確認してください。

ゲート2|本文・画像・引用を出版する権利があるか

自分で本文を書いても、本へ入れたすべての要素について権利があるとは限りません。

確認対象には次が含まれます。

  • 表紙や本文の写真・イラスト
  • デザインサービスで使った素材やフォント
  • WebサイトやSNSのスクリーンショット
  • 他者の文章からの引用
  • 図表、商品画像、ロゴ
  • AI出力に含まれる第三者由来の要素

確認したいのは、「無料」という表示の先にある利用条件です。商用利用や電子書籍での使用が許可されているか、クレジットが必要かを、素材ごとに確かめます。

素材を入手したサービスや権利元の利用規約を確認します。他者の文章を使うなら、出典の表示と利用できる条件は別の確認です。Amazon KDPは、出版者が必要な出版権を保有することを求めています。基本はAmazon KDP「著作権のガイドライン」で確認できます。

権利判断に迷う素材は、自己判断で進めず、権利元や必要に応じて法律の専門家へ確認してください。本記事は一般的な点検項目であり、個別の法律相談ではありません。

ゲート3|読者の表示環境でプレビューしたか

編集ファイルで整って見えても、Kindle端末やスマートフォンでは表示が変わることがあります。

確認したいのは次の箇所です。

  • 見出し前後の不自然な空白
  • 段落の切れ方
  • 画像の大きさやぼやけ
  • 表や箇条書きのはみ出し
  • 文字化けや意図しない記号
  • 内部・外部リンクの移動先
  • 目次から各章への移動
  • 文字サイズや画面方向を変えた表示

一つの表示だけで判断しません。

Amazon KDPのオンラインプレビューアーでは、タブレット、スマートフォン、Kindle電子書籍リーダーを想定した表示を確認できます。Kindle Previewerでは、端末の種類、向き、フォントなどを変えた確認が案内されています。

操作や対応形式は変わる可能性があるため、登録時には「本のコンテンツをアップロードしてプレビューする」、「Kindle Previewer」、「Kindle コンテンツの品質ガイド」を確認してください。

目次の要件は「ナビゲーション ドキュメントを使用して目次を作成する」で確認できます。

ゲート4|表紙・本文・登録情報は同じ本を説明しているか

別々に作った情報を横に並べます。

  • 表紙のタイトル・サブタイトル・著者名
  • 原稿内のタイトルページ
  • KDPへ登録するタイトル・サブタイトル・著者名
  • 商品説明で約束する内容
  • 実際の目次と本文

たとえば、表紙で「7日で完成」と書いたのに、本文に7日間の進行がない。商品説明では初心者向けと書いたのに、基礎説明がない。

誤字がなくても、約束と中身がずれています。

表紙や商品説明を強く見せるために、本文で渡していない結果を足さないでください。

KDP公式ヘルプは、タイトル欄へ表紙に記載された実際のタイトルを入力するよう案内しています。公開前にAmazon KDP「本のメタデータのガイドライン」を確認します。

原稿・表紙まわりの10項目

  • [AI] AIが生成したテキスト・画像・翻訳を確認し、必要な申告を行った
  • [AI] AI生成とAIアシストを作成過程で区別した
  • [権利] 本文・表紙・画像・引用・図表に必要な権利を確認した
  • [表示] アップロードした原稿が修正済みの正しい版である
  • [整合] 表紙・本文・KDP登録情報のタイトル、サブタイトル、著者名が一致している
  • [表示] スマートフォン、タブレット、Kindle等を想定した表示で確認した
  • [表示] 文字サイズや画面方向を変えて確認した
  • [表示] 目次、画像、表、箇条書き、外部リンク、文字化けを確認した
  • [整合] 表紙と商品説明で約束した内容が本文にある
  • [4ゲート共通] 公開日に、本文で案内したKDP公式ページの該当箇所を確認した

チェックできない項目は、「たぶん大丈夫」にせず、不明点を一行で書きます。

素材サイトの規約で、電子書籍利用の条件を確認できていない。

AI生成画像の申告箇所をKDP画面で確認できていない。

表の表示崩れを修正できていない。

不明点へ名前を付ければ、調べる先や相談する相手を決められます。

説明できない一項目があれば、公開を保留する

AI原稿の薄さも直したい場合は、「AIで書いたKindle原稿が薄くなる原因|自分の経験と判断を戻す方法」へ進んでください。

表紙から「誰の何の本か」を読み取れない場合は、「Kindle表紙で最初に伝えること|おしゃれより『誰の何の本か』」へ戻れます。

十項目へ印を付け、不明点があれば公開を一度保留する。急がず出すための確認は、そこで終わりです。

次の作業を選ぶときは、KDPアカウント登録の準備|本人情報・銀行・税務で確認することを使えます。出版の工程を確認したい場合は、Kindle出版の始め方を使ってください。