タイトル変えれば売れる、と言われても変え方がわからない人へ。"本の名前"を捨てて"読者との最初の握手"として書き直す3ステップを整理しました。
この記事で学べること
- 「本の名前」発想を捨てる理由(既存価値観を壊すパート)
- タイトル=読者との最初の握手という新しい定義
- 「読者の独り言」から逆算する3ステップ
- 書き終わってから直すのではなく、タイトルから決める順序の効能
対象者
原稿は書けたけどタイトルで止まっている方。「タイトル大事」と何度も聞いたのに、自分の本になると手が動かない方。これからKindleを出す予定で、最初のタイトル設計から間違えたくない方。
「Kindleってタイトルが大事っていうけど…
何をどう変えたらいいかさっぱりわからないんですよね」
そんな悩みを抱えていませんか?
本文よりもタイトルが大事なのは知ってる。
でも、いざ自分の本のタイトルを書こうとすると、
これだって言葉が出なくてフリーズ。
その答えは、多くの人が
タイトルを「本の名前」だと思ってるから。
「え?何言ってるの?そんなの当たり前じゃん」
って思いますよね。
そう、本に名前をつけるつもりで考えてしまう。
だから
内容の要約になったり、
説明的になったりしてしまう。
実は違うんですよ。
タイトルは、本の名前じゃないんですよ。
この記事では、
『タイトル=読者との最初の握手』という見方に切り替える話と、
そこから逆算する3ステップについてお伝えします。
読み終わる頃には、きっとタイトルを考える順序が変わります。
本の中身は1ミリも変えなくていい。
でも、最初の一行を書き直すだけで、その本に出会う人の数が変わる。
そんなヒントになればうれしいです。
そもそも、なぜ「本の名前」発想だとうまくいかないのか
本に名前をつけよう、と思った瞬間、人はだいたいこういうことを始めます。
・全体の内容をまとめなきゃ
・ジャンルを言わなきゃ
・カッコよく見えるワードを並べなきゃ
これ、全部「自分視点」なんですよね。
書いた人として、整理して、言い切って、見栄えを整える。
でも、そのタイトルに最初に出会うのは誰かって話なんです。
0.3秒で判断される世界に、自分視点の名前は届かない
Amazonでも、Kindleストアでも、書店の平積みでも、
読者は1冊あたり1秒も見てくれません。
スマホの画面なら、たぶん0.3秒です。
サムネイルが視界に入って、指がスクロールしようとしている、その間。
その0.3秒で、何を渡せるか。
ここが分かれ道なんですよ。
「本の内容を要約した名前」は、0.3秒では届きません。
要約って、読み手側に「読み解く負荷」をかけるものだから。
本人は気づいてない、タイトル軽視の症状リスト
こういう症状、心当たりないですか?
・原稿を書き上げてから「最後にタイトル決めよう」としている
・タイトル候補が、内容の単語の組み合わせばっかり
・サブタイトルで補足しないと意味が伝わらない
・本人は気に入ってるけど、人に見せると「ふーん」で終わる
当てはまったら、ちょっと一旦止まったほうがいいです。
このまま出しても、本文が届く前に素通りされる確率が高いから。
と、ここまではけっこう厳しめに書いてきました。
でも、これは別に「あなたが悪い」って話じゃないんです。
正直に言うと、僕も最初はそうでした。
本の名前として、整った言葉を並べることに必死で、
そのタイトルに出会う「未来の読者」のことなんて、ほとんど考えてなかった。
気づかせてくれたのは、自分が読者として書店に立ったときの感覚なんですよね。
そこで「ああ、自分も他の人の本にこういう冷たい目を向けていたんだ」と、はじめて景色が反転しました。
新しい定義:タイトルは『読者との最初の握手』
ここから、視点を入れ替えます。
タイトルは、本の名前じゃない。
タイトルは、まだあなたを知らない読者との最初の握手です。
もっと言うと、
あなたがその場にいなくても、
読者の前で勝手に挨拶してくれる「もうひとりのあなた」。
これを僕は「タイトル名刺」と呼ぶようにしてます。
名刺だから、最初に渡す。
名刺だから、相手の手元に残る。
名刺だから、後で「あ、あの人の本」と思い出してもらえる。
読者の「独り言」を先取りする発想
握手するなら、相手の状態に合わせます。
これが基本です。
本を探している読者は、検索バーや棚の前で、心の中でこんな独り言を言ってるんですよ。
「Kindleって、誰でも出せるってほんと?」
「自分の経験、本になるのかな」
「文章下手だから、たぶん無理だよな」
「ノウハウ本ばっかりで、自分が読みたい本がない」
こういう独り言です。
声に出してないけど、頭の中で何度も繰り返してる文章。
タイトルは、その独り言にそっと答える形で書きます。
説明じゃなくて、応答。
要約じゃなくて、相づち。
「教える側の言葉」を捨てる
具体的には、こう書き換えるイメージです。
×「Kindle出版で売れる本のタイトルの作り方」
(教える側の言葉。読者の独り言じゃない)
○「タイトルが浮かばないまま、原稿が止まってる人へ」
(読者が頭の中でつぶやいている言葉)
後者には、まだ「答え」が書かれてない。
でも、当事者からしたら、これは握手なんですよね。
「あ、この本、自分のことを言ってる」と。
タイトルを先に決めると、本文の輪郭が決まる
ここで、よくある反論を先回りします。
「タイトルから決めるって、本文書く前に?さすがに早くない?」
そう思うのは当然です。
でも、むしろ、その方がいいんですよ。
タイトルから決めると、
その本の「読者の独り言」が先に固まる。
独り言が固まると、その独り言に答える形で本文の輪郭が決まる。
輪郭が決まると、章立ても、トーンも、迷わなくなる。
後付けでタイトルをつける順序は、
言ってみれば「ゴールを決めずに走り始める」のと同じなんです。
逆。タイトル=ゴールです。
そこから逆算したほうが、本文がブレない。
「読者の独り言」から逆算する3ステップ
ここまで読んでくれた人に、具体的なステップを渡します。
これ、明日からひとりでできるやつです。
ステップ1:読者が頭の中で繰り返している独り言を10個、書き出す
あなたが書こうとしている本の、たったひとりの読者を思い浮かべます。
その人が、寝る前にぼんやり考えていそうなこと。
朝の通勤電車で、スマホをスクロールしながらつぶやいていそうなこと。
家族には言えないけど、検索バーに打ち込みそうなこと。
これを10個書き出します。
10個は多いと思うかもしれないけど、5個目までは表面的なことしか出てきません。
6個目あたりから、ようやく本音が出てきます。
例:
・「自分の経験、お金にならないかな」
・「ノウハウ本ばっかりで、自分が読みたい本がない」
・「文章下手だけど、Kindleなら出せるって聞いた」
・「会社のことは書けないけど、その経験は活かしたい」
・「副業始めたいけど、何を売っていいかわからない」
こんな感じで、その人の独り言を、その人の言葉で並べる。
ステップ2:その独り言に対して「あ、自分のことだ」と言わせる文を作る
10個並んだ独り言の中から、もっとも繰り返してそうなものを1つ選びます。
そして、それをそのまま使うか、ちょっとだけ角度を変えて、本のタイトルに据える。
ここで大事なのは、答えを書かないことです。
「あなたの経験で稼げる本」じゃなくて、
「あなたの経験、お金にならないかな、と毎晩考えているあなたへ」のような、独り言の延長として書く。
独り言の延長で書かれたタイトルに出会った瞬間、読者は「あ、自分のことだ」と立ち止まります。
それが握手の成立する瞬間です。
ステップ3:「読んだ後の自分」をサブタイトルで見せる
メインタイトルで握手した。
でも、握手だけでは、本を開いてもらえない。
サブタイトルで「この本を読み終わったら、あなたはこうなっています」を見せます。
例:
メイン:「自分の経験、お金にならないかな」と毎晩考えているあなたへ
サブ:会社員のままで、3ヶ月後に最初のKindleを世に出す3ステップ
メインで「ああ、私のことだ」と立ち止まらせる。
サブで「読んだ後の自分」を見せて、レジ(クリック)まで連れていく。
これが2段ロケットの設計です。
サブで具体的な数字や期間を入れる理由
サブタイトルでは、できるだけ具体的に書きます。
抽象的な「成功」「自由」みたいな言葉を入れると、たちまち嘘くさくなる。
「3ヶ月後に」「会社員のままで」「30分の作業で」のように、
読者が映像として思い描ける単語を入れる。
映像が浮かぶ瞬間、読者の脳の中で「自分がやっている姿」が再生され始めます。
そこまで行ったら、もうほぼ握手が成立しています。
タイトルから決めると、本のすべてが整う
ここまで書いてきて、たぶん思ったはずです。
「これ、タイトルだけの話じゃないな」と。
そうなんです。
タイトルを「読者との最初の握手」として書く、というのは、
つまり読者を主語にして本を作るということ。
本文も、章立ても、価格設定も、ジャンル選びも、全部この発想に揃います。
逆に言うと、タイトルを「本の名前」として後付けで決めている限り、
本のどこかに「自分視点の説明」が漏れ続けます。
だから、タイトルから決めるんですよ。
タイトルから決めて、
そのタイトルに恥じない本文を書く。
これが、いちばん近道です。
10年後にも掘り起こされる本にするために
ちょっと壮大な話をして、終わります。
あなたが今書こうとしているその本は、出した瞬間に消える本にも、
10年後の誰かに届く本にも、なり得ます。
その分かれ目はどこにあるのか。
本文の質も大事です。
装丁も、価格も、出すタイミングも、もちろん大事。
でも、最初の握手をミスった本は、そもそも本文に行き着いてもらえない。
タイトルは、未来の読者との最初の出会いの場面です。
そこをぼんやり通り過ぎる本にするのか、
「あ、私のことを言ってる」と立ち止まらせる本にするのか。
本文は、いつでも書き直せます。
でも、最初の握手は、そう何度もやり直せない。
だから、まず10個の独り言から書いてみてください。
原稿に戻るのは、その後でいいので。
あなたの経験は、どこかで誰かが探してます。
その人と握手するための最初の一行を、今日、書き出してみましょう。