Kindle本を書く前に、軸を決める5つの質問に答える。読者を途中で離さない「離脱設計」を仕込む。この2つの準備をするだけで、執筆の質と速度が5倍変わる。
この記事で学べること
- 執筆前に決めるべき「軸の5つの質問」
- 各質問の良い答え・悪い答えの違い
- 読者を途中で離さない「離脱設計」の4つのポイント
- 執筆開始前のワークフロー(実践ステップ)
対象者
Kindle本を書きたいけど、何から始めたらいいか分からない人。「軸」「ターゲット」といった概念は聞いたが、具体的にどう決めるのか分からない人へ。
Kindle本の執筆を始める前に、多くの著者が大切なことを見落とします。
それは「準備」です。
特に、個人出版の著者は、ついつい「いきなり執筆」してしまう。
「よし、今日から書くぞ」
そう思い立って、執筆に入ってしまう。
でも、その瞬間から、迷走が始まるんです。
「あ、この章、やっぱり不要かな」
「あ、ターゲット、変わったな」
「あ、この話、ベネフィットと関係ない」
執筆しながら「これは要らなかったのか」と気づき始める。
一度書いた部分を削除する。
新しい流れに合わせて、前の章を修正する。
その結果、3ヶ月の執筆が半年に伸びる。
完成度は下がるのに、時間は2倍かかる。
これは、すべて「準備不足」が原因です。
では、逆に準備をしっかりしたら、どうなると思いますか?
執筆が、ものすごく速くなります。
迷いがなくなります。
完成度が上がります。
その準備とは、実は「2つのこと」に絞られます。
1つ目は「軸を決める5つの質問」
2つ目は「読者を途中で離さない離脱設計」
この2つを、執筆前に済ませておくだけで——
あなたのKindle本は、「迷走」から「直進」に変わります。
「いきなり執筆」が失敗する理由
では、まず「なぜ準備が大事か」を理解しましょう。
軸が決まっていない状態で執筆を始めるのは、地図を持たずに山登りを始めるようなもの。
「どこをゴールにするのか」が決まっていない。
「どのルートで進むのか」が決まっていない。
「何を入れて、何を入れないのか」が決まっていない。
そのまま登っていると、途中で「あ、違うルートだった」と気づく。
途中で「あ、このゴールじゃなかった」と気づく。
その度に、修正を余儀なくされます。
これが、執筆期間の延長と、完成度の低下を招くんです。
準備があるなしで、これだけ変わる
対照的に、準備をしっかりした著者はどうか。
「ターゲットは誰か」が明確。
「ベネフィットは何か」が明確。
「コアメッセージは何か」が明確。
だから、執筆中に迷わない。
「この話、ターゲットのためになるか」「このメッセージに合致しているか」という判断が、一瞬で下せます。
結果、執筆期間は1/3に短縮されます。
完成度は大幅に上がります。
同じ5万字を書くのに、準備ありなしで「時間が3倍違う」というのは、実はめずらしくありません。
軸を決める「5つの質問」
では、具体的にどんな準備をするのか。
執筆前に、以下の5つの質問に答えてください。
質問1:ターゲット「誰に向けて書くのか?」
最初の質問は、シンプルです。
「この本は、誰のために書くのか?」
良い答え例:
「発信しても集客につながらない30代の個人起業家。特に、完璧主義で自分に厳しい人」
悪い答え例:
「Kindle出版に興味がある人、みんな」
違いが見えますか?
良い答えは「具体的な1人の顔が見える」。
悪い答えは「誰を想定していいか、分からない」。
「みんなに届く本」を目指すと、結局「誰にも届かない本」になります。
だから、ターゲットは「できるだけ狭く、具体的に」が鉄則です。
質問2:ベネフィット「読んだ後、何をもたらすのか?」
次は、読者が得られる「変化」です。
「この本を読んだら、読者はどう変わるのか?」
良い答え例:
「自分の経験が『商品』に見えるようになり、月3万円の追加収入を作り始める」
悪い答え例:
「Kindle出版について、いろいろ学べる」
良い答えは「具体的な変化・行動」を描いています。
悪い答えは「曖昧な知識」に留まっています。
読者は「知識」が欲しいのではなく、「その先の変化」が欲しいんです。
質問3:権威性「なぜ自分が書くのか?」
3番目は、あなたが「書く資格」です。
「なぜ、あなたがこのテーマで書くのか?」
良い答え例:
「Kindle出版で30万円の売上を生み出し、その後、高単価コンサルティングで月100万円の売上に繋がった経験を持つ」
悪い答え例:
「Kindleについて、詳しいから」
読者は「詳しい人」よりも「実績を持つ人」から学びたいんです。
あなたの「経験」「実績」「背景」が、読者の信頼を生みます。
質問4:具体例「どんなエピソードを使うのか?」
4番目は、本に「血」を通わせるためのエピソードです。
「どんなエピソード、事例、失敗談を、この本に入れるのか?」
良い答え例:
「3ヶ月で売上0の挫折経験。そこから逆転した試行錯誤の過程。実際に成功したお客様の事例3つ」
悪い答え例:
「成功事例を色々入れる」
良い答えは「どのエピソードを、なぜ入れるのか」が明確。
悪い答えは「曖昧な成功事例の寄せ集め」になっている。
エピソードは「装飾」ではなく「説得力」です。
執筆前に「どのエピソードが、このターゲットにとって説得力を持つか」を考えておくことが大切です。
質問5:コアメッセージ「最も伝えたいことは何か?」
最後は、本の「中心」です。
「この本で、何を伝えたいのか?」
「読者に、最後に何を感じてほしいのか?」
良い答え例:
「あなたの経験こそが最強の商品。完璧さを求めるな。今すぐ出版しろ」
悪い答え例:
「Kindle出版のいろいろなことを伝える」
良い答えは「1つの信念」が貫かれています。
悪い答えは「詰め込みの本」になる可能性が高い。
この「コアメッセージ」がブレなければ、構成が破綻することはありません。
執筆中に迷ったときは「これ、コアメッセージに合致しているか?」と問い直すだけで、判断ができます。
読者を途中で離さない「離脱設計」
次に重要なのが「離脱設計」です。
どれだけ有益な情報を書いても、読者が途中で本を閉じたら、意味がありません。
だから、執筆前から「読者を途中で離さない仕組み」を作り込んでおく必要があります。
ポイント1:冒頭1行でテーマをしっかり伝える
読者は、最初の1行で「この本は自分のためのものか」を判断します。
だから、冒頭の1行は、テーマを明確に伝える必要があります。
例:
「Kindle本が売れない理由は、運ではなく、構成設計の4つの失敗にある」
この1行で、読者は「あ、自分のために書かれた本だ」と感じます。
ポイント2:読者の悩みを代弁する
次は、読者の「心」を掴むことです。
「こんなお悩みありませんか?」という形で、読者が抱えている悩みを代弁してください。
読者は「あ、自分が思ってることを言われた」と感じると、一気に読むモードに入ります。
ポイント3:呼びかけを入れて、読者を参加者に変える
本を「著者の一方的な講演」ではなく「読者との対話」に変える工夫です。
「皆さんは、どう思いますか?」
「実は、こういう経験ありませんか?」
こういった呼びかけがあると、読者は「自分ごと」として本を読むようになります。
ポイント4:最後まで読むメリットを序盤で明示する
最後に大事なのは「この本を最後まで読むと、どうなるのか」を、早い段階で見せることです。
「この記事では、売れない本の4つのパターンと、その修正策をお伝えします」
こうすることで、読者は「最後まで読む価値がある」と感じます。
実践ワークフロー:5つの質問に答える
では、実際にどう進めるのか。
執筆を始める前に、以下の順序で進めてください。
ステップ1:ターゲットを決める(30分)
まず「誰のために書くのか」を、できるだけ具体的に決めます。
名前、年齢、職業、現在の悩み……
その1人を「想像する」感覚で。
ステップ2:コアメッセージを決める(30分)
次に「最も伝えたいこと」を、1つに絞ります。
複数あれば、最優先のものに絞る。
迷ったら「読者のためになるのはどれか」で判断します。
ステップ3:ベネフィットを決める(30分)
次に「読者はどう変わるのか」を、具体的に描きます。
その時点で、ターゲットとコアメッセージが既に決まっているので、スムーズに出てくるはずです。
ステップ4:権威性と具体例をリストアップ(1時間)
「なぜ自分が書くのか」と「どんなエピソードを使うか」を、リストアップします。
この時点で、本の「骨組み」が見えているはずです。
ステップ5:離脱設計の4つのポイントを仕込む(30分)
最後に「読者を途中で離さない」ための冒頭と、序盤の設計を決めます。
ここまでで「準備」は完了。
合計で約3時間です。
この3時間が、その後の執筆時間を3倍短くします。
最後に:準備は「投資」
多くの著者は「いきなり執筆」することが「速い」と思い込んでいます。
でも、現実は逆です。
準備なしの執筆は「見た目は速いが、結局遅い」。
迷走が多く、修正が多く、結果的に時間がかかります。
対して、準備ありの執筆は「最初は少し遅いが、結局速い」。
迷わずに進むので、結果的に完成が早い。
完成度も高い。
だから、執筆を始める前に、3時間の準備を投資してください。
その3時間が、その後の「3倍の効率化」を生み出します。
軸が決まっている本は、強い。
迷わない本は、速い。
読者を途中で離さない本は、資産になる。
さあ、準備を始めましょう。