原体験を発掘する10のセルフインタビュー

自己理解

「自分の人生を振り返っても、語れる原体験なんて一つもない」

そんな風に感じて、手が止まったことはありませんか?

SNSやKindle出版の世界を覗くと、劇的な転身ストーリーや壮絶な失敗談を持つ人たちがキラキラ発信している。それを見ながら、「自分の人生は平坦すぎて、物語にならない」と思ってしまう。

ぶっちゃけ、僕もまったく同じでした。

会社員として淡々と働いてきた自分には、ドラマチックな転機もなければ、人に語れるようなエピソードもない。そう思い込んでいた時期が、けっこう長かったんです。

でも、ある時から自分に対して「ちゃんと質問を投げかける」という作業を始めたら、景色が一変しました。原体験というのは、「なかった」のではなく「気づいていなかった」だけだったんです。

この記事では、僕自身が実際に使ってきた「原体験を発掘する10のセルフインタビュー」を紹介します。紙とペン、もしくはスマホのメモアプリだけあれば、今日から始められます。

なぜ「質問」が原体験を掘り起こすのか

自己分析の本を読んだり、性格診断を受けたりしても、なんだかピンとこない——そんな経験、ありませんか?

理由はシンプルで、「外から与えられた枠組み」では、自分の内側の生々しいエピソードまでたどり着けないからです。

MBTIで「INFJ」と判定されても、そこから「だから自分は何を語れるのか」にはつながらない。

必要なのは、自分の記憶の引き出しを開ける「鍵」になる質問です。良い質問は、忘れていたエピソードを引っ張り出し、ぼんやりしていた感情に言葉を与えてくれる。

僕が使ってきた10個の質問を、これから一つずつ紹介していきます。

原体験を発掘する10のセルフインタビュー

質問1:あなたが「これはおかしい」と本気で怒った出来事は?

怒りは、あなたの価値観が一番濃く出る感情です。

自分でも「なんでこんなに引っかかるんだろう」と感じる話題ってありますよね。同僚の愚痴の中でも、ニュースの一コマでも、SNSで流れてくる投稿でも。その「引っかかる瞬間」をちゃんと拾ってメモに残すと、自分が大事にしている価値観の輪郭が浮かび上がってきます。

あなたが許せなかった出来事は、あなたが守りたい価値観の裏返しです。

質問2:子供の頃、時間を忘れて夢中になっていたものは?

大人になると、「これは役に立つか」で物事を選ぶようになります。でも子供の頃は、純粋に「好き」で動いていた。

漫画、ゲーム、読書、工作、スポーツ——どんなジャンルでも構いません。そこに、あなたの「消費者としての情熱の源泉」が眠っています。

僕は小さい頃、友達と四コマ漫画を描いたり、一緒にマンガを作ったりしていました。「こういうストーリー面白そうじゃない?」とアイデアを出すのが楽しくて仕方なかった。

きっかけは『エルマーとりゅう』を読んだことです。ファンタジーの世界にどっぷりハマって、ゲーム(FF)をプレイするより先に、本の中の冒険に入り込んでいた。今こうして「物語」を軸に発信している原点は、たぶんあの頃にあるんだなと、後から振り返って気づきました。

質問3:人生で一番「死ぬほど辛かった」経験は?

この質問、最初は書きにくいかもしれません。でも、ここに一番大きな資産が眠っています。

人間関係の崩壊、仕事の挫折、お金の問題、健康を失った時期、大切な人との別れ。どんな形でもいい。

大事なのは、その経験そのものではなく「そこをどうやって乗り越えたか」のほう。同じように苦しんでいる誰かにとって、そのプロセスが救いになります。

質問4:周囲からよく頼まれること・感謝されることは?

自分にとって当たり前すぎて気づかない「スキル」を発見する質問です。

「話を聞くのが上手いね」と言われる。「資料作りを頼まれがち」。「後輩の相談役になりやすい」。

本人は「誰でもできるでしょ」と思っている。でも実はそれ、あなたにとってコスパの良い才能です。他の人にとっては重労働だったりする。

質問5:今の自分に対して、10年前の自分は何と言うだろうか?

時間軸をずらす質問は、見えなかった変化を浮かび上がらせます。

10年前の自分が今の自分を見たら、驚くところはどこでしょうか。「こんな仕事してるんだ」「こんなこと考えてるんだ」「よくここまで来たな」。

そのギャップの中に、あなたが歩いてきた道のりが詰まっています。気づかないうちに、ちゃんと進んでいる。

質問6:お金と時間を気にしなくていいなら、何をしたい?

制約を一時的に外す質問です。

「世界一周したい」「本を書きたい」「地元で小さなカフェを開きたい」——何でもいい。ただし、浮かんだ答えを「現実的に無理」とすぐ打ち消さないのがコツ。

浮かんだこと自体が、あなたの深い欲求を示しています。そこに、発信テーマの種が潜んでいる。

質問7:絶対にやりたくないことは何ですか?

「やりたいこと」がぼんやりしている時、「やりたくないこと」のほうがハッキリしているケースは多いです。

満員電車に二度と乗りたくない。人を評価する立場に戻りたくない。土日まで仕事したくない。

NGの輪郭を描くと、その外側にあなたが本当に望む働き方・生き方が見えてきます。

質問8:最近モヤモヤしていることは何?

過去ではなく「今ここ」のリアルを捕まえる質問です。

職場の人間関係、家族との距離感、将来への不安、SNSとの付き合い方。言語化されていないモヤモヤが必ずあります。

それを書き出すだけでも、頭の中がスッキリする。そしてそのモヤモヤは、同じ世代の多くの人が抱えているものでもあります。あなたが言葉にすれば、誰かの「それそれ」が生まれる。

質問9:どんな状態の人を見ると、放っておけなくなる?

自分が本当に助けたい相手、つまり「未来の読者像」が浮かび上がる質問です。

完璧主義で動けなくなっている人を見ると声をかけたくなる。頑張りすぎて疲弊している人を放っておけない。一歩踏み出せずに悩んでいる人を応援したい。

その「放っておけない相手」は、かつての自分であることが多い。だから心の底から寄り添える。

質問10:人生のターニングポイントを3つ挙げるとしたら?

最後は、人生を俯瞰する質問です。

大きな転機でなくていい。転職、引っ越し、誰かとの出会い、ある本との出会い、SNSで流れてきた一つの言葉。

「あの時、あの選択をしたから今がある」というポイントを3つ書き出してみる。すると、自分の物語に一本の軸が見えてきます。これがそのまま、発信のストーリーラインになる。

完璧に答えなくていい。「60点のメモ」で十分

10個の質問を並べましたが、全部にキレイに答えようとしないでください。

正直に言うと、僕自身もこの10個を最初から完璧に埋められたわけじゃない。答えに詰まる質問もあれば、「あー、これは今は言葉にできないな」という質問もあります。

それでいい。

一番やってはいけないのは、「完璧な答えが出るまで書かない」こと。完璧主義が発動した瞬間、自己分析は止まります。

大事なのは、浮かんだことを60点でいいからメモに残すこと。一回で終わらせず、何日かに分けて書き足していく。そのうち「あ、これも入れたい」と思い出すことが出てきます。

原体験の発掘は、一発勝負じゃなくて、育てていくプロセスなんですよね。

まとめ:今日、一つだけ選んで答えてみよう

10個全部、今日やる必要はありません。

記事を読み終わったら、この中で一番気になった質問を1つだけ選んで、スマホのメモアプリに答えを書いてみてください。3行でも5行でも構いません。

「自分には語れる原体験がない」と思っていた場所から、「あ、これなら話せるかも」という小さな火種が生まれる。それで十分な一歩です。

あなたの中には、まだ言葉になっていない物語が必ず眠っています。それを掘り起こす作業を、一緒にやっていきましょう。

60点で始めた人から、人生が動き出します。

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